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- 2019.07.08 Monday
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1月のベーキング教室では、ミシシッピ・マッド・パイを作りました。
マッドと言っても mad(=怒っている/気が狂った)ではなく、mud (=泥)です。ミシシッピの泥のパイ。Mississippi Mud Pie. さて、どんなお菓子でしょう?
「泥」はチョコレートを使って表現します。マッド・パイと言われるものには様々なバージョンがあって、中身もケーキだったりブラウニー生地だったりガナッシュだったりムースだったり。でも共通しているのは、チョコレートをふんだんに使った黒っぽい(泥っぽい)パイだということ。クラスト(パイ生地)部分にはチョコレートのビスケットを砕いて使うことが多いです。
私も、ナビスコNabiscoの Famous Chocolate Wafersというクッキー/ビスケットを使いました。
薄いチョコレートのクッキーです。味も食感も、OREO オレオの外側のチョコレートクッキーによく似ています。
これをフードプロセッサーで粉にして溶かしバターを混ぜてパイ皿に敷き込み、焼いてクラストを作ります。
‥‥真っ黒ですね。
焼きあがるとこんな↓感じ。相変わらず真っ黒です。
このクラストの上に、ブラウニーの様な生地を流し込んで焼きます。
焼きあがった直後に写真を撮ったので、少し膨らんでいますが冷めると少し縮んで落ち着きます。でもこれも真っ黒です。チョコレートに加えてDutch Processed Cocoa Powderが入っているので、色も濃くチョコレート風味も一段と強く。ねっとりとしたgooeyな食感のとても味わいの深いブラウニーです。
さて、このチョコレートブラウニーの上には何を乗せましょう?
ミシシッピ川の泥に積もる雪を表すというホイップクリームでもいいし、白いメレンゲでもいいし。
でもそれじゃあつまらないということで、今回は 単独で食べてもとても美味しい チョコレートムースを載せることにしました。
チョコレートムースにも様々な作り方があります。
ホイップクリームとチョコレートで作るもの、ゼラチンで作るものなど。フレンチのレシピにある本格的なムースは卵を使ってより軽く滑らかな食感にします。
卵を使うとき、フレンチでは生のままメレンゲにして混ぜ込みますが、アメリカでは基本的に卵は生で食べてはいけないとされています。なので今回も卵黄、卵白とも熱を加えて殺菌しながら利用します。
まずはバターとチョコレートを一緒に溶かし、この段階で卵黄も加えて湯せんにかけます。
次に卵白も湯せんにかけながら泡だてて加え、最後に別にホイップしておいた生クリームも加えて風味アップ&より軽く滑らかな食感に。
ムースは冷蔵庫で冷やすとより質感がしっかりとします。
たっぷりのムースをど〜んとブラウニーの上に載せます。
レッスンの時も、「えっ、全部載せるんですか?!」とびっくりされましたが、はい、全部載せました。
ちょっと凝りたければ、きれいに絞り出してもいいけれど
「泥のパイ」 なので、そんなにfancyにする必要もなく。
むしろムースもばばっと盛り付けて、上にクッキーを砕いて散らしたらはい出来上がり、って感じがちょうどいいのかも。何しろ子供の泥遊びがコンセプトと言われているんですから。
切り分けると、3層がきれいに見えます。食感も、クラストのサクサクガリガリ、ねっとり重いブラウニー、軽く滑らかなムースと三種類のハーモニーが楽しめます。甘さも控えめに仕上げましたが、チョコレートの風味はそれぞれの層にしっかりあるのでチョコレート好きの方には大変好評でした。
レッスンではミシシッピ・マッド・パイという名前の由来、チョコレートの扱いについて、ブラウニーを焼くときのコツについて、ミシシッピ川について、ナビスコ社についてなど お菓子にまつわることもまつわらないこともあれこれお話ししました。
どっしりとしたアメリカンなチョコレートパイなので、日本人の皆様の口に合うか少し心配だったのですが、とても美味しいと言っていただけました。試作を繰り返し、レシピを調整した甲斐がありました。
(味見役のチョコレート好きの息子は、この期間にちょっと太ったみたいです。)
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アメリカンベーキングのレッスンを毎月開講しています。
毎月 平日午前開催
Scarsdale, NYの講師自宅にて
参加対象者:日本人のご婦人たち
レシピは英語ですが、日本語で解説しながら調理をいたします。
試食&お茶の時間には、お菓子にまつわる歴史や裏話もご紹介します。
英語とお菓子作りとアメリカの文化をいっぺんに楽しく学べる教室を目指しています。
ご興味のある方は、ブログのコメント欄から または右上のメールアイコンを使ってご連絡ください。
コメントは私が承認するまでは画面には表示されません。個人情報が記載されている場合は公開はいたしません。
これまでに作ったお菓子:
2017年1月/Old Fashioned Apple Pie 2月/Molten Chocolate Cake 3月/Irish Soda Bread, Guiness Cupcake 4月/Easter Icing Cookies 5月/Lemon Square, Salted Peanut Chews 6月/Pineapple Upside-down Cake 8月/Key Lime Pie 9月/Layered Carrot Cake 10月/Old Fashioned Apple Pie, Halloween Cupcake 11月/Pecan Pie 12月/Rugelach 2018年1月/Cranberry Swirl New York Cheesecake 2月/Brooklyn Blackout Cake Dessert Cup 3月/Fruits Tart and Tartlets 4月/Sour Cream Coffee Cake 5月/Lemon Meringue Pie 6月/American Cookies (Black & White Cookies, Triple Ginger Gingersnaps) 8月/Cheesecake Topped Brownie Bars, Pecan Bar Cookies 9月/Boston Cream Pie 10月/Apple Spice Cake, Old Fashioned Apple Pie 11月/Spiced Crust Pumpkin Pie, Pecan Pie 12月/St. André Walnut Cake, Mexican Wedding Cookies, Christmas Icing Cookies 1月/Mississippi Mud Pie
JUGEMテーマ:手作りお菓子
少し前に、お子さんの帰国後の英語保持についての記事を書きました。
記事→http://okinakiny2.jugem.jp/?eid=200
今回は、日本からほぼ英語ゼロでアメリカに来たお子さんが英語を習得するには?をテーマに書いてみます。
先日、ニューヨークにいらしてまだ一年に満たないというあるお母さんから、
「どのぐらい経てば子供達は英語が話せる/理解できる/大丈夫になるんでしょう?」という質問を受けました。
私は日本とアメリカを行ったり来たりしながら子育てしてきた経験者ですし、英語の家庭教師や英会話講師など英語を仕事としてきた経歴から、私なりのアドバイスをさせていただきました。
まず、「住んでいればいつかは英語が自然に上達する」
という考えを捨てましょう。
厳しい様ですが、本当のことです。
幼稚園や小学校低学年のお子さんであれば、住んでいるだけで英語が自然に身に付くということもあるかと思います。
この年齢は、母語の日本語だって日常的に触れることでどんどん吸収して発展していく時期だからです。
でも、小学校高学年やまして中学生ぐらいになっていたら
「住んでいるだけで=日常的に触れているだけで英語が上達する」なんてことはありません。
もちろん<全く英語が話せず理解できず>というレベルからすれば、毎日触れていることで多少は身につく&上達する部分もあるでしょう。でも、アメリカの現地校に通うお子さんたちにとってそのレベルの英語で十分なはずがありません。
教室で話されていること、友達との会話、宿題など、その学年レベルに応じた英語能力が無いと大変辛い思いもするかと思います。
では、どの様にして英語を上達させて行けばいいのか?
やはり、毎日の積み重ねが大切です。(何事も努力無くしては‥ ですね。)
現地校から家に帰った後、日本語のマンガを読み、日本のテレビ番組をインターネットやケーブルテレビで観て、日本のことばかり話題にしていませんか?
宿題は「なんとなくわかる」単語から適当に推測して、「なんとなく」仕上げていませんか?
Google翻訳などを使ってわかったつもりになっていませんか?
(*インターネット翻訳の利用は、全くおすすめできません。単語の訳をつなぎ合わせているだけの翻訳であることが多いので、文章として意味の通らない不自然なものになっていることが良くあります。また、これを使うことが英語上達の助けにはなりません。)
では具体的に何をすればいいのか?
→→→ 身近な題材に丁寧に取り組むことをおすすめします。お子さんの場合は、ずばり「学校の宿題」です。
宿題をもらったら、まずは何が書かれているのか 問題文を一つひとつ丁寧に読みましょう。
わからない単語があれば、辞書を使って調べます。
一つの単語に複数の意味があることも多いので、辞書の項目は一番上にあるものだけでなく、下の方までしっかりと目を通しましょう。熟語になっている場合は、独特の意味を持つこともありますので見落とさない様に。具体例をあげてみます。
例:nail
名詞では
1)くぎ, びょう
2) (手足の)爪 (!手の爪はfingernail, 足の爪はtoenail)
ですが、熟語として
a nàil in [into] A's cóffin [the cóffin of A] A〈事・人〉に破滅[終焉(しゅうえん), 失敗]をもたらすもの
(as) hàrd [tòugh] as náils 〈人が〉恐れを知らない, 冷酷な. 〈体が〉たくましい, 強靱(きょうじん)な.
hìt the nàil (rìght) on the héad ⦅主に話⦆ 的を射た発言をする, 核心をつく
on the náil ⦅英・ややくだけて⦆ 即座に〈支払う〉; 即金で. ⦅米・くだけて⦆ うまく言い当てて, 図星で.
なんて意味があります。
動詞として使う場合も、1)釘で打ち付ける 2)犯人などを捕まえる、逮捕する 3)スポーツなどで競技を完璧に行う 4)嘘や噂を事実で無いと証明する
など、一つの単語でも言葉のもつ意味が様々に異なっています。
良い辞書には例文もたくさん載っていますし、例えば<鳥獣のつめはclaw, talon >など日本語では同じ「つめ」でも英語では違う単語を使うということを教えてくれたりもします。文法上のポイントが記載されているものも役立ちます。
ぜひ、辞書を活用してください。
紙の辞書が嫌なら電子辞書でも構いません。きちんとした良い辞書を活用することで、英語の単語一つの幅がぐんと広がります。「なんとなくわかった」は語学上達の上ではもっとも避けたいことです。
また、アメリカ生活が長くなってくると、日本語の語彙が不足してくるということもあり得ます。辞書を引くことで、英語の単語の意味を理解すると同時に日本語の語彙をリフレッシュできるという利点もあると思います。
そうやって辞書を使い、必要があれば文法の解釈にも踏み込んでしっかりと書かれていることを理解するのがまず第一。本を読んでくるという宿題であれば、本の余白や専用のノートに調べた単語を書きこむなどして丁寧に読んでいきます。
日本の中学校で習った基本の英文法の力があれば、しっかりと意味も理解できるし文章もかけるので、保護者の方もここはぜひ一緒に取り組んであげてください。
宿題というものは、毎日少しずつ与えられる課題なので それを丁寧にこなしていくことで積み重ねとなり確実に力が付いてきます。逆に、毎日適当になんとなく〜で済ませてしまうと、上達も期待できません。
それから、
生活の中でも英語という語学だけでなく、アメリカならアメリカの文化や時事に関心を寄せるということも大切です。
最新のニュースなどをチェックしていれば、それが話題になった時に「ああ、あのことを話しているんだなぁ」と推測することができます。逆に全く触れていないと、英語として理解したとしてもなぜそれが今ここで話されているのか?話題にも議論にもついていくことができません。
以上のことは、アメリカでの生活を送る上でも大切なことですが、実は日本に帰国した後にも大きな意味を持つことになります。
帰国生の中には、「英語はペラペラに喋れるのに学校の英語の成績はさっぱり」ということがよくあります。(帰国生クラスなどではなく一般学級の場合)
日本の英語教育ではまだまだ(残念なことに)一語一句に注目する<和文英訳><英文和訳><穴埋め>などの問題で生徒の英語の力を測るということが行われています。これが本来の英語力とは結びつかない部分があるというのはご承知の通りですが、それでも、お子さんがいずれこの環境に戻っていくということがわかっているのならば、やはりそれに対応できる素地も作っておかなくてはいけません。
ひとつひとつの単語をみて、<名詞/動詞><熟語><活用形>などの概念を持って英語に取り組むということもそのための積み重ねにもなるでしょう。
また、日本の学校は帰国生に対し「海外生活を経験した子供ならではの独自の視点/考え方/斬新な発想」などを期待する風潮があります。帰国生中学/高校受験などでも、面談やエッセイなどで求められるのはこういった帰国生像。海外に生活していながら日本の文化から離れられず、現地の文化や時事に関心を持たないで過ごしてしまうと「帰国生としての価値がない」とまで見られてしまうかもしれません。
なんとなく英語ができる日本人、でも日本の子供に比べると日本の知識/勉強に関しては遅れがある ーーー これでは、せっかく与えられた海外生活の機会がマイナスに作用してしまいます。ぜひ、毎日の生活の中で 英語に対して、また現地の文化や時事に対して積極的に関心を持って取り組んで 海外生活を自分が大きく成長する機会として欲しいです。
ずっと海外に住んでいても、語学が全く上達しない人もたくさんいます。わずかな期間で飛躍的に語学力が伸びる人もいます。一方で、日本に暮らして日本の英語教育の中でも英語力をしっかりと身につけて海外で&ビジネスで活躍する人もいます。
「住んでいれば英語は上達する」というのはまやかしです。自分次第で、如何様にもなる。
ちなみに、これは子供達だけでなく 大人にも同じことが言えます。
私も大人になってから英語力がアップしました。英語のニュースを見て英語の本を読み、英語の文章を書くように心がけ、英語の検定試験などにもチャレンジして。でも勉強ばかりしていたわけでは全くありません。アメリカの文化や時事にも関心を向けると、英語自体もよりよく理解できるようになりました。昔は英語のコメディで笑えないのは語学力が不足しているせいだと思っていたのですが、実は単に話題になっていることについての知識がなかったからだと気づいたこともあります。
大好きなベーキングの情報も英語を活用してより豊富に収集することができますし、ハリウッド映画も原作の英語のまま見ることができればより深く楽しめます。ぜひ、ご自分の世界を広げるために語学力アップを前向きな目標として楽しみながら取り組んでいただけたらと思います。
こちらの記事もご参考に
(イラストはGoogle Imageの無料素材および わたなべふみさん作成の無料素材より拝借)